製作年 | 1964 |
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製作国 | 日本 |
公開日 | |
上映時間 | 150 |
今村昌平監督が、興行的にも批評的にも大成功を収めた『にっぽん昆虫記』(1963)に続いて1964年に発表した、ある女性の悲劇と葛藤を描いたサスペンス・ドラマ。藤原審爾の小説の映画化で、舞台を東京から仙台に変え、日本の古い家族制度批判を込め、東北の雪景色も印象的な作品となっている。1964年度キネマ旬報ベストテンで第4位に選ばれたのをはじめ、第19回毎日映画コンクールで西村晃が主演男優賞、楠郁子が助演女優賞を受賞した他、撮影賞と録音賞を受賞、第15回ブルーリボン賞では西村晃が助演男優賞を受賞した。藤原審爾の原作は本作の後、4回TVドラマ化されている。 東北大学の図書館に勤務する高橋吏一の妻、貞子は息子の勝と3人で仙台のある町で暮らしていた。吏一が出張で家を空け、勝が実家に泊まっていたある晩、刃物を持ったバンドマンの平岡が強盗に押し入り、貞子はレイプされてしまう。貞子はショックで死のうとするが、死にきれず、逆に貞子を愛してしまった平岡と関係を持ち続けてしまう。一方、吏一は図書館の同僚、増田義子と長年不倫関係を続けていた。ある日、貞子が平岡と会っているのを目撃した義子は、そのことを吏一に告げ、貞子を追い出して自分が吏一の妻になろうと、不倫の決定的証拠をつかもうとする。やがて貞子の妊娠が発覚し、貞子の苦悩はさらに深まっていく…。