製作年 | 1952 |
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製作国 | 日本 |
公開日 | |
上映時間 | 97 |
小津安二郎、木下恵介とともに松竹の“三大巨匠”と呼ばれ、また“喜劇映画の異端児”とも呼ばれた『てんやわんや』(1950)、『好人好日』(1961)などの渋谷実監督が、井伏鱒二の第1回読売文学賞小説賞受賞作「本日休診」と「遥拝隊長」をベースにした脚本を映画化した1952年に撮った代表作の1本。休診日にもまったく休めない、戦後すぐの東京のある町の医院を舞台にしたシニカルな群像喜劇。1952年度キネマ旬報ベストテン第3位をはじめ、第7回毎日映画コンクール監督賞、第3回ブルー・リボン賞ベストテン第6位、および脚本賞を受賞した。なお原作はこれまでに5回テレビドラマ化されている。 戦争で一人息子を失った三雲医院の八春先生は甥の伍助を院長に迎え、戦後再出発してから丸1年の記念日、伍助はこの日看護婦の瀧さんたちと温泉へ出かけ、三雲医院は「本日休診」の札を掲げた。八春はこの機会にゆっくり昼寝でもと思っていた矢先、婆やのお京の息子で、軍隊生活で精神を病んだ勇作が発作を起こす。その後、警察が昨夜遅く暴漢に襲われた悠子という娘をつれて来た。そこへ18年前帝王切開で母子共に八春先生に助けられた湯川三千代が訪れ、さらに、ヤクザの加吉が指をつめるのに麻酔を打ってくれとやって来たり、砂礫船の船頭の妻のお産に往診を頼まれたりと、休診日は休む間もない大騒ぎ…。