製作年 | 1963 |
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製作国 | 日本 |
公開日 | |
上映時間 | 123 |
今村昌平監督が、大正~昭和、戦後復興期へと激変する社会の底辺で、コールガール組織を仕切るまでになった1人の女のバイタリティに満ちた半生を生々しく描いた1963年の人間ドラマ。昆虫記とは昆虫のような触覚で生きる主人公の生き様の比喩。センセーショナルな題材が話題となって1963年興行成績第6位となる大ヒットを記録した。第14回ベルリン国際映画祭では左幸子が日本人で初めての主演女優賞を獲得、1963年度キネマ旬報ベストテン第1位、監督賞、脚本賞、主演女優賞、第14回ブルーリボン賞作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞など数多くの賞を受賞した今村監督の代表作の1本。 大正7年、東北の農家で父・忠次と母・えんの娘として生まれたとめは、23歳で製糸工場で働くようになり、やがて地主の本田家に“足入れ婚”させられる。そこで娘の信子を生むが、逃げ出すように家出する。戦後、上京したとめは、米軍兵の愛人宅でメイドをしていたが、不注意で幼子を死なせてしまう。懺悔のために新興宗教団体に入ったとめは、そこで知り合った売春宿の女将に誘われ、女中として宿で働くが、やがて客を取るようになる。その後、ある問屋の主人、唐沢の妾となったとめは、売春宿の実権を握り、さらに新しい組織を作って儲けるが、売春罪で警察に逮捕されてしまう…。